昨日までの激しい風雨に耐えて、今日の青空に明石公園の桜が満開になった。
最高気温が15度、最低気温が6度。朝は肌寒かったものの、冬を抜けて桜はここに来たのだと主張しているよう。これはこれで趣があって良い。桜はいつも、何か僕たちに伝えたがるような顔をして風を運ぶ。
言葉で挑もうとする。薄紅の風の景色を、なんとかして言葉で伝えようとする。刹那、それは無駄な時間であることに気付かされる。存在だけが胸を占めて、立ち尽くすだけの時間。時折、目を瞑って空気を僕に取り込む。
見上げてばかりいると危ないよ、と誰かが優しさを空に吊るしていた。
春は良い。春の明石公園は格別だ。桜がすべてを優しくしてくれる。